抄録
犬の外眼部炎症性疾患の臨床例に対する0.05%ジフルプレドナート点眼薬の有効性と安全性を評価した。対照薬剤として0.1%プラノプロフェン点眼薬を用い,無作為にジフルプレドナート群(D群)とプラノプロフェン群(P群)に群分けし,比較検討した。外眼部炎症性疾患である結膜炎症例165例,角膜炎症例14例,眼瞼炎症例21例,合計200例を対象とした。治療効果として,有効以上を示した症例は,D群では101例中94例(93.1%),P群では99例中81例(81.8%)であり,両群とも高い効果が認められたが,各群に有意差は認められなかった。しかしながら,3日目においてD群がP群に対し有意な改善が認められたため,D群のほうがP群より即効性があるものと考えられた。なお,両群に明らかな副作用は認められなかった。したがって,ジフルプレドナート点眼薬は,犬の外部炎症性疾患に対し高い有効性と安全性を示すことが確認された。