抄録
7歳齢の避妊猫が頻回の嘔吐と食欲低下および元気消失を主訴に来院した。各種検査を実施した結果,胆嚢から総胆管にかけて胆石がみられた。総胆管(不完全)閉塞,胆管肝炎に起因する黄疸,そして膵炎の併発が認められたため,第3病日に胆管閉塞の解除を目的に手術を行った。拡張した総胆管内の胆石を,胆嚢管および十二指腸側からのカニュレーションで完全に除去できなかったため,胆嚢摘出術にあわせて総胆管十二指腸吻合術を実施した。術後は黄疸,肝障害,膵炎および一般状態の改善が認められた。現在,術後9カ月経過するが良好に推移している。