2017 年 26 巻 3 号 p. 126-129
2カ月前に頻回嘔吐と活力低下を呈し,他院での内科的治療で一般状態が改善した7歳齢のトイ・プードルが,胆嚢の精査を主訴に来院した。胆嚢管内胆石と胆嚢粘液嚢腫所見および軽度の腹膜炎所見を認め,開腹すると腹腔内に小さな胆石が多数散在し,胆嚢は萎縮し周囲組織と癒着していた。胆嚢管内胆石除去と胆嚢切除術を行った。1カ月前に頻回嘔吐と虚脱を示し,他院での内科的治療で元気食欲は改善した2歳齢のウエルッシュ・コーギー・ペンブロークがその後も持続する軽度黄疸と腹水貯留の精査と治療のため来院した。腹腔内液体貯留を認め,開腹手術で重度の胆汁性腹膜炎所見と腹腔内に脱出した大豆大の胆石と胆嚢に小孔を確認し,胆嚢切除術を行った。術後はいずれも経過良好に推移した。