2021 年 30 巻 2 号 p. 46-53
2019年10月に愛媛県今治市とその周辺で犬を飼育している人100名を対象として後発動物用医薬品に関するアンケート調査を実施した。後発医薬品の存在を知っている人は80%近くに及んだが,その定義は十分には理解されていなかった。また,動物用医薬品にも後発医薬品があることを知る人は50%に満たず,医療用医薬品の場合と比べると認知されていないことが明らかになった。自身が飼育する犬に後発動物用医薬品を使用したいと考える飼い主はおよそ50%で,後発医薬品に肯定的な飼い主がこの薬に求めるのは低価格であることに集約された。一方,後発医薬品に否定的な飼い主も15%ほどは存在し,その理由は効果が低いと考えていることであった。後発医薬品の製造販売承認の取得にあたっては臨床試験は必要とされていないが,製造販売業者は動物の飼い主に対して効力を証明するデータを提供することが望まれる。