抄録
第12回日本DOHaD学会学術集会が2024年10月13日から14日にかけて北海道大学学術交流会館で開催された。「ワンヘルスにおけるDOHaDを考える」をテーマに、人間、動物、環境の健康を統合的に捉えるワンヘルスアプローチとDOHaDの概念を結びつけた多様な研究発表が行われた。藏内勇夫による基調講演「ワンヘルスというコンセプトに基づく社会」では、人獣共通感染症や薬剤耐性菌の問題など、現代社会が直面する健康課題について論じられた。続くシンポジウムでは、環境化学物質の影響、医療者教育の再構築、妊婦の体重管理、畜産分野でのDOHaD応用など、多角的な議論が展開された。優秀演題賞候補セッション、一般演題発表を通じて、DOHaDとワンヘルスの統合的アプローチの重要性が強調され、今後の研究方向性について示唆に富む議論が展開された。筆者(久保)は、初めての学会参加であったが、世界的な研究者、次世代を担う若い世代の研究者の学会発表を聴講し、大変貴重な経験となった。この経験を今後の研究活動や学会発表に活かしていきたいと考えている。