島根県中海干拓地揖屋地区において,1985年1月より1987年12月までの3カ年にわたり,月間の水収支を求め,中海湖水の干拓地内への地下浸透量を評価した.地下浸透水の月間積算量は平均0.7Mm^3(標準偏差0.3Mm^3)であり,とくに夏期に増大することが明らかとなった.また中海湖水,干拓地周辺の潮回し水路水および圃場の暗渠排水中のNaおよびClイオンの比率の増大とCaイオンおよびSO_4-Sの比率の減少の程度によって判定できることを明らかにした.この浸透は干拓地の周辺部の圃場において明瞭に観察された.