日本土壌肥料学雑誌
Online ISSN : 2424-0583
Print ISSN : 0029-0610
稲わら堆肥の連用が野菜の生育収量に与える影響
六本木 和夫石上 忠武田 正人
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キーワード: 堆肥, 野菜畑, 窒素, リン酸, カリ, 石灰
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1992 年 63 巻 6 号 p. 690-695

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抄録
沖積畑において,窒素,リン酸,カリ,苦土石灰を施用した四要素区,苦土石灰のみの無肥料区,四要素区から窒素,リン酸,カリ,苦土石灰をそれぞれ欠乏した試験区を設け,稲わら堆肥20Mg ha^<-1>施用,無施用を組み合わせ,25年間の23作にわたって野菜を栽培した.得られた結果を要約すると以下のとおりである.1)堆肥施用の無肥料区,無窒素区,無リン酸区および無カリ区は堆肥無施用の対応する試験区に比べ収量が多く,堆肥施用の要素欠乏区のなかで最も多収な無カリ区は堆肥無施用・四要素区と同収量になった.堆肥施用の養分的効果としては,カリが最も高く,次いで窒素,リン酸であった.2)無肥料区,無窒素区の収量比は,根菜類が葉菜類に比べ高かった.3)四要素区に対する堆肥施用効果は,葉菜類が根菜類に比べやや早くみられた.4)無石灰区では野菜の種類によって生育に大きな差がみられ,低pHに対する耐性は,レタス,ニンジンで低く,ダイコンでは高かった.また,堆肥施用により各野菜の収量は,やや多くなった.
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© 1992 一般社団法人日本土壌肥料学会
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