日本教育メディア学会研究会論集
Online ISSN : 2435-0729
Print ISSN : 1344-8153
自己調整学習を支援する小学校教師が実践したメディア・リテラシー教育の特徴
上田 妃菜手塚 和佳奈津田 奈々佐藤 和紀
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2025 年 59 巻 p. 25-32

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抄録
自己調整学習を支援する小学校教師が実践したメディア・リテラシー教育の特徴を調査することを目的に,小学校教師11名を対象とし,各学級において2024年4月下旬から2025年3月下旬までに実施されたメディア・リテラシー教育の実践の内容を分析した。実践された「教科」は,国語,社会,総合的な学習の時間の順に多かった。「実践の目的」は,中橋(2014)のメディア・リテラシーの構成要素を参考に新たなカテゴリーを作成して分類した結果,「1.メディアの機能や特性を理解し活用する能力」に焦点を当てた実践が21回と最も多かった。「自己調整の段階」は,社会的認知に基づく自己調整の発達の多段階モデル(B.J.ZIMMERMAN and D.H.SCHUNK 2014)を参考にして分類した結果,「観察」が20回と最も多く,「自己調整」は0回だった。しかし,授業時間数と自己調整学習の段階の関連においては,時間数が長くなるに連れて,教師主導から学習者主体の活動へと自己調整が段階的に変化する様子が見られた。
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