日本土壌肥料学雑誌
Online ISSN : 2424-0583
Print ISSN : 0029-0610
報文
根こぶ病菌 Plasmodiophora brassicae の根毛感染に対するクロトニリデンジウレア(CDU)分解中間体の抑制的影響
横山 和平 , 保坂 浩章, 坂本 淳, 柳 由貴子
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2026 年 97 巻 4 号 p. 175-181

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抄録

クロトニリデンジウレア(2-oxo-4-methyl-6-ureido-hexahydropyrimidine, CDU)施用により,作物の土壌伝染性病害が抑制または軽減される現象が知られてきた.本研究は,アブラナ科作物根こぶ病菌Plasmodiophora brassicaeの罹病性ハクサイ根毛への感染を,CDU分解中間体の2-オキソ-4-メチル-6-オキシ-ヘキサヒドロピリミジン(2-oxo-4-methyl-6oxy-hexahydro-pyrimidine, OMHP)と,3-アミノ酪酸(β-aminobutyric acid, BABA)の光学異性体のうちの(R)-体が抑制することを示した.先行研究と合わせ,BABAは根に対して何らかの刺激を与え,根こぶ病に特化しない全身感染抵抗を誘導すると考えられた.OMHPは,より強毒性のP. brassicae系統の感染も抑制し,BABAとは作用機作が異なることが示唆された.OMHPにより根の病害抵抗性が誘導される場合には,その抵抗性は,OMHP除去後に非常に速やかに消失する可能性が示唆された.OMHPは,P. brassicaeの休眠胞子からの1次遊走子の発芽を阻害しなかったが,そのような条件下でも根毛感染を抑制した.これらから,OMHPの感染抑制機作は,①残効が非常に短い感染抵抗を根に誘導するものか,あるいは,②1次遊走子に直接悪影響を与えるもの,のどちらかであることが示唆された.

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