日本土壌肥料学雑誌
Online ISSN : 2424-0583
Print ISSN : 0029-0610
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フィールド体験型土壌教育プログラムパッケージの開発と評価—理科教育学・心理学・微生物学・作物栽培学・土壌学の見方・考え方を取り入れた土の伝え方の実践と評価—
平井 英明 北村 里香出口 明子白石 智子武藤 将正磯 孔海金子 海咲髙久 朋也早川 智恵高橋 行継赤羽 幾子浅野 陽樹
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2026 年 97 巻 4 号 p. 182-195

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抄録

持続可能な社会の基盤である土壌を段階的に伝える体験型土壌教育プログラムパッケージを,宇都宮大学農学部附属農場をフィールドとして開発した.具体的には,(1)雑木林・竹林の表土観察および土壌の保水排水の実験,(2)土壌断面の観察,(3)イネ収穫後の水田土壌の観察の3つのプログラムからなり,専門家の解説や,移動中の景観観察も行っている.これらを通して竹林や雑木林の表土に触れ,土壌の保水・排水を体験し,土壌断面の観察から土壌中の物理的,化学的,生物的な特徴を推測することや,里山地域に位置する農場の景観・標高の違いの実感から,土壌が農場に広く分布し支えているという気づきに導くことで,土壌への目を醸成し,土壌に対する忌避傾向を減じることを目指した.参加者に対し,プログラム開始・終了時点において,一般感情尺度,土の親しみ尺度を含む調査を実施した.その結果,一般感情については,肯定的感情全般が有意に高まり,土の親しみについては,ポジティブな感情認知が有意に高まった.項目別では,土壌に触れることによる「おちつく」,「あんしんする」といった癒しの効果とあわせて,「楽しい」,「ワクワクする」といった活性効果が新たに示された.自由記述によれば,土という語を使用した参加者の人数は,竹林→雑木林→土壌断面→水田の観察順で増加した.このことから,このプログラムパッケージには参加者が土壌を景観の一部として認知する能力(土の目)を育む効果があると示唆された.

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