抄録
分類サーチと主題索引サーチにおける再現性とサーチ所要時間との関係を解明するため6号分を用いて4テーマにつき実験する。結果は原研INIS-SDIサービス用232プロファイルの統計的特性と比較され,2方式の特徴が追究される。分類サーチでは,4〜12時間で全文献の5〜30%をサーチし再現率100%を得るが,普通は予想以上の数の分類に適合文献が存在するため90%が限界であろう。再現率60〜80%は,半分の時間で得られる。主題索引サーチでは,2〜9時間で全文献の1〜9%をサーチし再現率70〜100%を得る。通常は90%が限界である。それは,収録文献の54%が2個以上の主標目を持つことに関係なく,きわめて分散的な主標目付与傾向に基づく。各サーチ・テーマとも再現率60〜85%に時間的な分岐点があり,以降はその特性により,分類サーチのほうが時間的収率がよいと見られる。