竹中大工道具館研究紀要
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中国北京故宮の修繕組織における大工道具の標準編成
李 暉
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2014 年 25 巻 p. 95-138

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抄録

本稿は、中国北京故宮の修繕組織である「古建修繕中心」に所属する大工が用いる大工道具に関する調査成果を報告するものである。主な内容は、以下の3点に要約できる。 1  中国の大工道具に関する先行研究を整理・分析し、標準編成の提示が最も喫緊の課題であると判断した。その端緒として古建修繕中心における大工道具の標準編成を調査した。 2  標準編成とみなす道具は、全体で54種類72点である。このうち〈刨〉(鉋)が最も種類が多く11種類17点、ついで〈量具〉(定規類)10種類16点、〈鋸〉(鋸)7種類7点、〈鑿〉(鑿)4種類10点である。 3  北京近郊の大工と異なり、北京故宮の修繕組織においては、〈麻葉頭〉という清代組物の木鼻の形をした〈墨斗〉(墨壺)や大型の〈工作台〉(作業台)を用いるという特色がある。

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© 2014 公益財団法人竹中大工道具館
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