海洋深層水を用いたハタハタの親魚養成が可能かどうかを明らかにし, 養成技術の向上を図るため1999年6~12月に1歳魚の産卵試験, 使用飼料の違いが成長成熟に及ぼす影響および生殖腺の発達過程調査を水温約5℃ で行った.産卵試験では生残率84%で雌の43%が天然よりも2ヶ月早期に産卵した.餌料試験では配合飼料を用いたA群が生餌を用いたB群よりも成熟率が高かった.生殖腺調査では成熟開始が8月であり平均全長15.5cmの雌13.8cmの雄が成熟したと推定された.海洋深層水を用いた親魚養成は可能である.産卵期が早いことは早期に種苗生産を行うことで天然よりも大型の稚魚を放流できることを意味する.成熟率を高めるには餌料を考慮し8月に成熟が始まるように成長を促進させる必要があると考えられた.