海洋深層水研究
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海洋深層水を添加した原料乳によるゴーダチーズ及びヨーグルトの性質(予報)
田村 吉史田中 常雄佐々木 章晴渡邉 徹高松 賢一
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2008 年 9 巻 2 号 p. 51-57

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抄録
羅臼町で取水された海洋深層水やその濃縮塩水を用いてゴーダチーズとヨーグルトを試作し不使用品と比較した.ゴーダチーズでは, 深層水2%添加または無添加の原料乳に通常の食塩水または海洋深層水濃縮塩水をブラインとした4種類の製品を, 真空包装後, 熟成 (4℃ で25日間の後, 8℃ で42日間) させた.各製品間には原料乳熟成率 (水溶性窒素量/全窒素量) やTCA可溶性窒素量/全窒素量比に明瞭な差はなかった.海洋深層水を原料乳とブラインの両方に使用すると, 不使用品に比べて熟成中の遊離アミノ酸の生成量が多くなる傾向がみられたが, ブラインに海洋深層水濃縮塩水を使用するとチーズ表面が溶解した.ヨーグルトは, 0, 2ないし4%深層水を混合し滅菌・冷却した10%スキムミルク溶液に乳酸菌スターターを混合し, 42℃ で6時間発酵させて作製した.深層水を添加したヨーグルトでは, 明瞭ではないが, pH低下, 酸度上昇及び乳酸菌増殖の傾向が認められた.
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© 海洋深層水利用学会
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