生物環境調節
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遺伝子の形質発現に及ぼす温度の影響
佐俣 淑彦
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1964 年 1 巻 2 号 p. 85-93

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抄録
(1) コスモスの花型表現に関与する遺伝子の形質発現に及ぼす温度の影響をみるため, 一連の実験を行なった.
(2) 花型の表現は遺伝子の違いによって温度に対ずる反応が著しく異なり, 温度の影響が強く現われるのは, 八重の表現度に関与する微働遺伝子, 舌状花の奇形の程度を左右する微働遺伝子の発現に関してであって, 主働遺伝子の関係する形質には, まったく影響がみられなかった.
(3) 温度の効果がでるのは開花前10~15日以上の期間にわたり温度処理をうけた場合であることから, 花型遺伝子の機能発現のおよその時期を推定した.
(4) 以上の現象はまた花芽の形態的発生に際しての維管束の走向の特性からくる物質移行の関係から, ある程度実証できることがわかった.
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© 日本生物環境工学会
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