抄録
人工光下でリーフレタスを栽培する場合の経済性を向上するために, 連続光が生育に及ぼす影響を検討した.1日当りの光合成有効放射量が同じ場合には, 連続光 (216μmol・m-2・s-1) は, 17.5時間日長 (296μmol・m-2・s-1) よりも生育を促進した.次に, 連続光の光強度の影響を250, 350および450μmol・m-2・s-1で検討したところ, 250, μmol【a】m-2・s-1での生長が優れる傾向が認められた.チップバーンは, 光が強いほど多く発生したが, 250μmol・m-2・s-1ではほとんど認められなかった.みかけの光利用効率は弱光ほど高かったので, これが1日当りの光合成有効放射量が等しい条件下で弱光が生育を促進する原因と考えられた.
以上の結果から, 人工光下におけるリーフレタス栽培では, 弱光 (250μmol・m-2・s-1かそれよりやや小さい光強度) による連続照明は, チップバーンを発生させずに生長を促進するので, ランプ数と照明エネルギーの低減に寄与すると考えられる.