抄録
Grand Rapidsレタス種子の発芽に及ぼす赤色光 (red light) , 遠赤色光 (far-red light) による光可逆的反応は, 発芽温度のみならずageの進行によっておこる種子の生理的状態によって著しく異なり, 非休眠過程の種子よりも, 休眠および発芽力消失過程の種子においてより明らかである.
遠赤色光 (far-red light) を長時間照射した種子, あるいは高温 (40℃) で48時間処理した種子は, 照射しない種子あるいは高温処理を行わない種子より発芽速度の低下もおそく, 発芽能力が長く保持される.
光可逆性を失った非休眠種子の発芽に対する長時間の遠赤色光 (far-red light) 照射による光可逆性の再誘導は光による二次休眠の誘導であるが, 高温処理による光可逆性の再誘導は非休眠種子を異なった二つの生理的状態へ誘導する.その一つは, 48時間の高温 (40℃) 処理による二次休眠の誘導であり, 他の一つは144時間の高温 (40℃) 処理による発芽力の消失過程への誘導である.
高温処理によって誘導された発芽力消失の生理的状態にある種子の発芽に対するGA3の効果は赤色光 (redlight) より大きい.