抄録
メロンの発育あるいは果実品質に及ぼす少日射の影響について明らかにしようとした.接ぎ木の有無による, または果実発育段階の違いによる日射制限の影響の違いに注目した.植物体の発育は乾物重でとらえ, 果実品質に関しては, 外観として大きさ, 形について, 内容として可溶性固形物含量, 果肉色, 香気等について調査した.
1.少日射の影響は自根より接ぎ木の場合に強く現れた.
2.着果時から約2週間の果実発育期の日射制限により, 植物体の発育とくにえき芽と果実の発育が抑制された.
3.果実成熟期の日射制限により, 可溶性固形物の蓄積や果肉の着色, 香気の発生が抑制された.
4.日射制限により, 果実中の窒素, リン, カリウム, カルシウム, マグネシウムの含量および葉中の窒素, リンの含量が高まった.