抄録
宇宙での運用状況を想定し, その第1段階として, CELSS用水再生循環システム構成の検討および装置の開発・運転試験を行い, 以下の知見を得た.
1) CELSS用水再生循環装置を試作し, その運転操作状況などからみて, 設計どおりの運転制御が行われたが, 耐久性の面では装置上改善すべき必要性が認められた.
2) 加熱蒸発および運転実験より, 本人工尿では, 60%以上の水の回収は困難であることが明らかになった.
3) 用水処理性能低下を招く析出物は, 主としてリン酸とカルシウム, マグネシウムによる化合物であることが判明した.
4) RO膜の本供試水での除去率は, 公称除去率と比べ, 20~80%低いことが認められた.とくにアンモニアは除去率が低く, その後のTPVでも処理が難しいので対策が必要と考えられた.