生物環境調節
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昼温と培養液へのアンモニア態窪素添加が水耕栽培トウガラシの生育・収量に及ぼす影響
鄭 顕福伊東 正
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1994 年 32 巻 1 号 p. 41-46

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抄録
トウガラシを昼間室温25℃, 30℃, 35℃の3条件で養液栽培し, それぞれの温度下で培養液中のNH4-Nの添加が生育, 収量, 光合成速度, 葉緑素含有率, 根の活性などに及ぼす影響を調査した.
本実験に供試した品種‘Nokkwang’は, 昼温が30℃で生育, 収量が最も優れ, 栽培適温としてこのあたりに管理するのが望ましいことが明らかになった.
また, 25℃と30℃の温度条件では, 培養液中の全窒素の20%をNH4-Nで施用することにより, 培養液のpHを安定させることができ, 葉と茎の生体重, 葉面積, 根の呼吸速度を増加させ, 果数, 収量ともに増加できた.葉緑素含有率はすべての温度下で, NH4-Nの添加により高まった.
しかし, 35℃の昼温下でNH4-Nを添加すると, 生育, 収量が逆に低下することも明らかとなり, 夏季の強光, 高温下ではNO3-Nだけで窒素を施用し, それ以外の時期にはNH4-Nを添加することが望ましいと考えた.
本論文の遂行にあたり, 貴重なご助言をいただいた千葉大学園芸学部篠原温助教授, 丸尾達助手に感謝の意を表します.
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© 日本生物環境工学会
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