生物環境調節
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カキの休眠打破に及ぼす各種薬剤の影響
板村 裕之冷 平山村 宏
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1994 年 32 巻 3 号 p. 171-176

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抄録
カキ樹の休眠打破に及ぼす各種薬剤処理の影響を検討した.‘平核無’, ‘富有’, ‘西条’の3品種を用いて, 一年生枝の芽に1) 石灰窒素20%浸出液, 2) ‘メリット青’2倍液, 3) GA3500ppm, 4) ‘ガーリックオイル’原液を11月9日と12月8日にそれぞれ塗布した.11月9日処理では, いずれの品種においても, 石灰窒素>‘メリット青’>GA3の順に休眠打破効果が高かった.また‘西条’が他の2品種にくらべ, 休眠打破されやすい傾向にあった.12月8日処理では, 3品種とも, 石灰窒素と‘メリット青’による萌芽促進効果が高かったが, GA3の効果はなかった.また両時期の処理とも‘ガーリックオイル’は効果がなく, 12月8日処理では芽が枯死した.以上のことから, カキ樹の休眠打破には, 休眠覚醒期に処理すれば人体に対する安全性の高い‘メリット青’が効果的であることがわかった.
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© 日本生物環境工学会
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