抄録
物体の3次元形状情報とその2次元画像のテクスチャ特徴量との関係に着目し, 小規模な葉群を対象とした, 葉傾斜角の画像計測手法を提案した.シミュレーション画像の解析から, くさび状特徴量に基づく小平面群の平均傾斜角の測定が可能なことを示した.異なる平均傾斜角をもつ2種類の小平面群を横に並べた模擬群落のシミュレーション画像の解析から, 個体各部位の葉傾斜角の3次元分布の再構成が可能なことを示した.さらに, 異なる形状のコマツナ苗, トマト苗さらにはトマト生長個体の各回転撮影画像の解析から, 本手法により, 葉傾斜角の違いに基づく形状差の解析が可能であることを示した.
本研究を行うにあたり, 東北農業試験場の小沢聖氏には, 供試材料の作成に関して多大なるご援助をいただきました.また, 同じく東北農業試験場の岡田益己博士には, 研究内容に関して多くの有益なご示唆をいただきました.ここに厚くお礼申し上げます.