生物環境調節
Online ISSN : 2185-1018
Print ISSN : 0582-4087
ISSN-L : 0582-4087
Allium oreophilum ‘Zwanenburg’の生育・開花に及ぼす温度の影響
古平 栄一森 源治郎今西 英雄
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 39 巻 4 号 p. 289-295

詳細
抄録

1.Allium oreophilum ‘Zwanenburg’の花芽分化は, 9月上旬に茎頂で始まり, 翌年の3月中旬に雌ずい形成期に達した後, 5月中旬に開花した.
2.時期を変えて戸外から最低10℃の加温室に搬入した場合, 2月上旬からの加温開始で開花個体がみられるようになり, 花序の発達のために低温遭遇が必要であることが分かった.
3.8月13日からりん茎を10, 15, 20, 25および30℃で8週間乾燥貯蔵したところ, 貯蔵終了時の花芽の発達は20℃で最も進み, 高温ほど発達が遅れた.10および15℃の低温下では花芽を分化せず, 肥厚しりん片化した葉を2枚形成していた.
4.りん茎を8月13日から20, 25あるいは30℃で8週間乾燥貯蔵した後5℃で8週間乾燥貯蔵した場合, 貯蔵終了時の花芽の発達は, あらかじめ20℃貯蔵した区で最も進んでいたが, 植え付け後, 最低夜温を10℃に維持して栽培した場合の開花率は60%と低かった.これに対し, 25℃区および30℃区のりん茎では貯蔵終了時の花芽の発達は遅れていたものの, 開花率が高まるとともに, 4月上~中旬に開花した.

著者関連情報
© 日本生物環境工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top