抄録
地温がサトイモの乾物生産と塊茎形成に及ぼす影響について検討した.雨よけビニルハウス内において子イモ用品種石川早生をポットに移植し, これを所定温度の水槽に設置した低温区 (L, 14.0~17.3℃) , 中温区 (M, 19.5~26.3℃) , 高温区 (H, 32.5~36.1℃) , および水槽外に設置した放任区 (N, 25.0~35.8℃) を設けた.乾物重, 葉面積はN区で最大となり, M区がこれに続き, LおよびH区は著しく低かった.個体成長速度 (GR) および塊茎成長速度 (TGR) は各々葉面積との間に高い相関がみられた.個葉光合成速度は, 地下部の温度が27℃のとき最大値12.8μmol CO2m-2s-1を示し, 17℃および37℃では約20%低下した.M, H, L区における塊茎 (子イモ) 収量はN区に対してそれぞれ74.6, 17.1および6.2%であった.生育初期段階における葉面積の展開ならびに子イモの成長は, 地温が25℃前後で最大となった.マルチによる地温の上昇は生育初期段階における葉面積の展開を活発化し, 子イモの肥大促進に効果的と考えられた.