2004 年 42 巻 4 号 p. 295-303
耕地あるいは自然生態系に直接CO2ガスを放出して, 一定区画内のCO2ガス濃度を高く維持し, 作物あるいは自然生態系の反応を調べるFACE実験は, 世界的に広く行われている.しかし, 今までのFACEシステムでは, CO2ガスの設定値は1つだけで, 異なる複数のCO2ガスの影響は調べられなかった.そこで, 区画内にCO2ガス濃度の勾配を作り出すシステムを考え, その一定の濃度勾配を作出・維持するためにニューラルネットワークにより制御を行った.実験の結果, 風速計が感知できないほどの微風時には, 濃度勾配を維持できなかったが, ある程度の風速があるときは, 設定値からずれはしたものの, 濃度勾配を作出することができた.