抄録
ジャガイモ種子の発芽に対する光, 温度, ジベレリンの効果は, ジャガイモの変種, あるいは品種そして種子の後熟度の進行による生理的条件によって著しくことなる.
また温度処理より光の照射効果が著しく, 後熟12ケ月の種子ではきわめて短時間の光照射で高い発芽率が認められる.低温処理の効果はほとんど認められない.したがっておなじナス科植物でも, ナス, ホオズキとはことなる.
ジベレリンの効果も, ジャガイモの変種あるいは品種そして種子内部の生理的条件によって著しくことなる.
ジャガイモ種子の発芽性をあきらかにするためには, 遺伝的条件とともに種子の生理的条件についても考慮して行なうことが重要である.