応用生態工学
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総説
水田・水路における魚類研究の重要性と現状から見た課題
永山 滋也森 照貴小出水 規行萱場 祐一
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2012 年 15 巻 2 号 p. 273-280

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抄録
本論は,小特集「水田・水路生態系における魚類研究の現状と課題」における議論に先立ち,その理解を補助する基礎情報と,既存研究の内容の分類ならびに今後の課題を提示した.まず,木曽川水系を例として,氾濫原および水田や水路を産卵場として利用する魚種を整理し,流域全体の魚類群集に果たす水田地帯の重要性を示した.次に,水田地帯における典型的な水域ネットワークの構造,水田と水路の構造,灌漑手法,ならびにそれらの変遷を整理し,水田地帯における水域特性に関する基礎情報を提供した.最後に,水田地帯の魚類に関する既存研究の内容を分類するとともに,既存研究が対象としてきた空間スケールに関連付けて,今後の課題を提示した.
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© 2012 応用生態工学会
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