2018 年 20 巻 2 号 p. 237-243
河内川(福井県若狭町)において,2006 年から 2016 年までの 11 年間,定常時および洪水時に流量および水質を調査した.その結果,洪水時は定常時と比較して,無機物(土粒子)だけでなく有機物(植物プランクトン,窒素化合物,リン化合物)も大量に流下することが明らかになった.有機物および無機物は,上・中・下流域を流下し,最終的に閉鎖性海域の小浜湾に供給されることが推定された.河内川ダムが下流河川および小浜湾に及ぼす影響を究明するために,今後の課題として(1)ダム建設後も建設前と同様の流量観測および水質分析を実施すること,(2)ダムへの堆砂量をモニタリングすることを提案した.