2025 年 28 巻 2 号 p. 205-214
シカを管理して植生への影響を低減することは喫緊の課題である.そのためには,シカの行動や植生への影響を迅速に把握できる,簡便で低コストのモニタリングが必要になる.そこで,UAV プラットフォームを使い,湿原においてシカの影響による植生の変化を把握した.深泥池湿原(京都府京都市北区)を調査対象地とし,湿原植生へのシカの影響を指標する種としてミツガシワ Menyanthes trifoliata とマコモ Zizania latifolia を選定した.ミツガシワとマコモが,他の植物との識別が容易な 10 月に UAV で湿原を空撮し,2015 年と 2023 年の両種の分布データを作成した.この植生分布の情報は,湿地の長期変化のモニタリングにおいて,重要な基礎情報となる.