応用生態工学
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長良川河口堰湛水域における―時的な水温成層の形成
村上 哲生服部 典子
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2001 年 4 巻 2 号 p. 179-184

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抄録
長良川河口堰湛水域において,水温と溶存酸素の鉛直分布を一時間毎に連続観測し,快晴で弱風の気象条件の下で,一時的な水温成層が発達することを明らかにした.成層は水柱の鉛直混合を阻害し,さらに,底層の酸素不足を引き起こす可能性があることが示された.底層酸素濃度は,宵の内に最も低い値が記録され,深夜には表層水の冷却による鉛直混合のために底層の酸素不足は解消された.しかし,底まで達する全水層の完全な混合は毎日起こるわけではなく,一時的な水温成層は,数日間維持されることもあった.水柱や堆積物による急速な酸素消費速度から判断すれば,一時的な水温成層は,夏季の湛水域底層でしばしば観測される酸素不足の原因となる可能性がある.
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