p. 02004
マグネシウム蓄電池では,資源の潤沢さに基づくコスト低減とデンドライトが抑制された高安全性が重要な開発因子となる.GHG ゼロエミッションに貢献する安全・安心・大型化が可能な蓄電池の研究開発を進めている.本研究の目標は,安全・安価で,高エネルギー密度を有するマグネシウム蓄電池の開発である.マグネシウム蓄電池は,リチウムイオン電池の代替ではなく,これから必要となる電化プロセスに向けて,安全で大型な蓄電池として移動体に載せるだけでなく,分散型電源用定置用電源としての利用が期待される.つまり,現状の蓄電池構成において,多種蓄電池のラインナップを揃えることが求められるが,本蓄電池はその一翼を担うものである.本講演では,資源制約フリーを実現する電池として,Mg 金属負極を用いた蓄電池「マグネシウム蓄電池」の開発の現状と将来について述べる.