Edaphologia
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アカマツせき悪林地の土壌動物相とバーク堆肥施用の影響 : 2. トビムシ類およびカマアシムシ類
新島 溪子一澤 圭中村 修美
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2005 年 76 巻 p. 11-21

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抄録

京都府宇治市のアカマツ林では, 9科35属53種のトビムシ類が採集された.種数, 個体数ともに最も多かった科はツチトビムシ科で, とくにべソッカキトビムシは総個体数の29.2%, ヒメフォルソムトビムシは12.1%を占めていた.2番目にシロトビムシ科が多く, ヨシイホソシロトビムシは総個体数の11.8%を占めていた.種名が確定できた32種は, いずれも日本での採集頻度の高い種であった.カマアシムシ類は2科6属9種採集された.最も採集数が多かったのはトサカマアシムシで, 個体数の多い5種で全体の92.3%を占めていた.また, 比較的採集頻度の少ないババカマアシムシ, キンリョウカマアシムシ酷似種およびアズマミスジカマアシムシの亜種(Acerentulus keikoae capillatus)も採集された.バーク堆肥施用の影響は, トビムシ類では明らかでなく, カマアシムシ類では稀少種が減少する可能性が示唆された.

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© 2005 日本土壌動物学会
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