抄録
食料安全保障の確保において,原料のほとんどを海外に依存する肥料は,下水汚泥など国内資源の活用が求められており,農林水産省では,品質管理の徹底により農業者が使いやすい「菌体りん酸肥料」を創設した。下水汚泥を原料とした肥料の安全性に不安を感じる農業者もいるが,我が国の肥料制度は,科学的な知見に基づき有害成分の基準値を設けるなど,品質と安全性が確保された仕組みとなっている。本稿では,肥料制度の概要や菌体りん酸肥料の特徴のほか,有害成分の基準値や汚泥肥料中のPFASに係る農林水産省の考え方について解説する。