気候変動対応とジェンダー平等は世界の喫緊の課題である。COP などでは,気候変動によって不均衡に悪影響を受けている脆弱な女性や少女をどう支援するか,気候変動対策の担い手としていかに女性や少女が活躍できるかといった議論がなされている。2050 年温室効果ガス排出ネットゼロや適応策など取り組むべき課題が山積する中で,人口減少社会に向かう日本のイノベーション創出や生産性向上のためには,女性も含めあらゆる人々が取り残されず,生き生きと活躍できる社会の構築が必要である。本稿では,気候変動とジェンダーの関連性や国際的な議論も踏まえつつ,人口減少が進む日本の気候変動対策とジェンダー平等の取組について考察する。