抄録
日本列島の豊かな自然環境は,森を中心とした循環思想によって守られてきた結果である。その思想は,縄文時代に確立された稲作漁撈というライフスタイル,それに根差した神道の精神(先祖崇拝と自然崇拝),およびそこから育まれた自然観に由来する。江戸時代までの日本は持続可能な社会であった。SDGs という概念は,麦作牧畜という持続不可能なライフスタイルを選択し,森林を破壊しつくした欧米社会から出てきたものである。森を中心とした循環思想とその重要性を日本人自ら再認識し,それを世界に向けて発信していくこと,これこそ日本がこの分野で国際社会に対して果たすことができる最大の貢献ではないだろうか。