抄録
本稿の前半では,生物多様性 COP15 を起点とし 2023 年3 月に閣議決定された「生物多様性国家戦略 2023-2030」に基づき,生物多様性主流化室において検討が進められてきた「ネイチャーポジティブ経済」にかかわるこれまでの動向について整理してそのポイントを概観する。また,後半においては,2023 年度に環境省が中心となり,経済産業省・国土交通省・農林水産省の 4 省庁において策定された「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」を踏まえつつ,具体的にネイチャーポジティブ経済を実現させるに向かっていく際に,「ルール形成による市場創造」と「データの価値を生み出す」という 2 つの政策的切り口からの考察を記載する。