抄録
蓄電池の材料となる金属資源は国外から輸入しており,その供給リスクが懸念されている。本稿では,金属の資源リスクを構成する要素とその評価の考え方について解説した。はじめに,金属の資源問題が複雑化した経緯を整理し,現在の資源供給が環境,経済,社会の各側面に関連したさまざまなリスクに直面していることを示した。次に,これらリスクの総合的評価によるクリティカルマテリアルの特定に関する世界動向を紹介し,評価においてどのようなリスク要素が考慮されているかを解説した。最後に,リチウムイオン電池に使用されている金属の現在および将来の供給リスクを述べたうえで,リスク低減に向けた展望を示した。