抄録
本稿は,Montgomery et al. (2024) が提唱したグリーンウォッシュ研究の3段階モデルを基礎に,国際ジャーナルにおける議論の展開を概観し,日本における課題と展望を提示する。基本モデルは企業による消費者への一方向的な情報提供を,拡張モデルは多様なステークホルダー間の双方向的な関係性を問題にする。また,新興モデルはESG投資やネットゼロ(カーボンニュートラル)を中心とした未来志向の議論である。日本では2020年代以降,グリーンウォッシュに対する関心が急速に高まる一方で,初期段階である基本モデルおよび拡張モデルに対応する議論の蓄積が限定的である点が課題である。本稿は,日本でのグリーンウォッシュに関する継続的な議論の必要性を主張する。