抄録
本稿は,カーボンニュートラルやネイチャーポジティブの実現といった,環境アセスメント法制の導入当初は想定していなかった,今日においては喫緊の対応が求められる重要な政策課題に直面するなかにあって,環境アセスメント法制度が果たし得る役割と限界を明らかにし,今後の改善に向けた方向性を検討しようとするものである。まず,アセス法制度の法的性質を明らかにしたうえで,その限界が翻せば可能性になり得ることを示し,具体的には環境影響評価審議会等の役割の重要性,都市部での事業における対応,複数事業による複合的・累積的影響への対応,フォローアップのあり方などについて検討し,改善の方向性について示すことを試みる。