栄養学雑誌
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原著
中学生の家庭における共食とボディイメージ,ダイエット行動,セルフエスティームとの関連
千須和 直美北辺 悠希春木 敏
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2014 年 72 巻 3 号 p. 126-136

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抄録

【目的】中学生の朝食摂取頻度,朝食・夕食の共食頻度,夕食時の会話頻度,楽しさと,ボディイメージ,ダイエット行動,家族・全般のセルフエスティーム(以下SE)に関する調査を実施し関連を検討した。
【方法】2011年10~12月,大阪府下公立中学校2校の2年生444名(男子224名,女子220名),私立中学校1校の1年生140名(男子55名,女子85名)計584名を対象に無記名自記式の質問紙調査を行った。有効回答485名(男子233名,女子252名)を対象に,各項目の性別比較,および朝食摂取頻度,朝食・夕食の共食頻度,夕食時の会話頻度,楽しさ別にみたボディイメージ,ダイエット行動,SEの解析を行った。
【結果】朝食共食頻度が高い群は,ほとんどない群より男女とも家族SEが高く,女子では全般SEが高く良好なボディイメージを持っていた。女子の夕食共食頻度が高い群に体型をふつうと認識する者,やせ願望を持たない者が多く,家族SEが高かった。男女ともに夕食時の会話頻度,楽しさが良好な群では,家族SE,全般SEが高く,女子の夕食を楽しいと思う群でダイエット経験が少なかった。
【結論】朝食を毎日摂り共食を心がけ,家族で会話のある楽しい夕食の時間を過ごすことが,女子では良好なボディイメージやダイエット行動の予防,男女ともに高いSEと関連することが示唆された。本研究により家庭での食生活とボディイメージの視点を取り入れた思春期へ向けた栄養教育の必要性が示唆された。

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© 2014 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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