栄養学雑誌
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植物性食品を中心とした食事パターンを有する女子大学生は,良好な食生活を送っているか
─わが国の女子大学生における植物性食品指数の適用─
河嵜 唯衣赤松 利恵藤原 葉子
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2020 年 78 巻 6 号 p. 254-263

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抄録

【目的】植物性食品を中心とした食事パターンに関する研究の基礎資料とするために,先行研究で開発された「植物性食品指数」をわが国の女子大学生の食事調査データに適用し,各指数と栄養素等摂取量・Body Mass Index(BMI)との関連を示すことを目的とした。

【方法】女子大学生281名を対象に,簡易型自記式食事歴法質問票から得た食物摂取頻度及びエネルギー・栄養素等摂取量のデータを用いて,「総植物性食品指数」「健康な植物性食品指数」「不健康な植物性食品指数」を算出した。これらの指数と,エネルギー及び栄養密度法で示した栄養素等摂取量,BMIとの相関係数を算出した。

【結果】対象者のBMIの中央値(四分位範囲)は20.0(18.8,21.2)kg/m2 だった。健康な植物性食品指数と,コレステロールを除く全ての微量栄養素の摂取量との間に正の相関がみられた(ρ=0.147~0.645, p<0.050)。一方,不健康な植物性食品指数と,植物性脂質エネルギー比と飽和脂肪酸エネルギー比を除く全ての微量栄養素の摂取量との間に負の相関がみられた(ρ=-0.718~-0.127, p<0.050)。3指数とBMIとの間に相関関係はみられなかった。

【結論】健康な植物性食品指数が高い程,多くの栄養摂取状況が良好だった一方,不健康な植物性食品指数が高い程,エネルギー摂取量や多くの栄養素等摂取量が不足していた。

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© 2020 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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