栄養学雑誌
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総説
日本の健康と栄養に関する食品表示制度における規制ならびに関連する国立健康・栄養研究所の役割
東泉 裕子近藤 位旨千葉 剛石見 佳子
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2020 年 78 巻 Supplement 号 p. S80-S90

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抄録

【目的】 日本の健康と栄養に関する食品表示制度における規制ならびに関連する国立健康・栄養研究所の役割をレビューした。

【方法】 健康と栄養に関する日本の食品表示制度の発展および課題,ならびに本制度の発展における国立健康・栄養研究所の寄与について調査した。

【結果】 1991年,当時の厚生省は栄養改善法に基づき,特定保健用食品制度を創設した。2001年には,ビタミンとミネラルを対象とした栄養機能食品制度が創設され,特定保健用食品とあわせて保健機能食品と位置づけられた。2015年には,食品表示法に基づいて消費者庁により機能性表示食品制度が創設された。日本における食品の表示制度は規制されているにも拘わらず,「健康食品」の使用方法と表示は不適切である可能性がある。そこで国立健康・栄養研究所は,(1)食品表示制度における許可を受けた表示に関する正確な情報を保証するため,食品中の栄養素や成分量を測定し,(2)保健機能食品を含む健康食品の安全性と有効性を評価し,それらの栄養生理学的作用における科学的根拠を提供し,(3)健康食品,保健機能食品およびそれらの表示に関して,オンラインにより信頼できる情報を提供している。

【結論】 国立健康・栄養研究所は,日本の保健機能食品制度を含む健康食品の規制制度において,重要な役割を果たしている。

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© 2020 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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