【目的】食生活リテラシー尺度と食環境の認知および主食・主菜・副菜がそろう食事の頻度との関連を検討し,食生活リテラシーが主食・主菜・副菜がそろう食事に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】社会調査会社のモニターである30~39歳の9,356人を対象にウェブ調査を実施した。解析対象は2,000人(男性1,018人,女性982人)であった。食生活リテラシー尺度と主食・主菜・副菜がそろう食事の関連は,外食・持ち帰り弁当・惣菜の利用頻度と食環境(食物へのアクセス,情報へのアクセス)の認知を調整したロジスティック回帰分析を行い,その結果から食生活リテラシー尺度,食環境の認知,主食・主菜・副菜がそろう食事の因果モデルを作成し,パス解析を行った。
【結果】男性は,食生活リテラシー尺度から「食物へのアクセス」と「情報へのアクセス」の認知に有意なパスが確認された。さらに,「食物へのアクセス」の認知から,主食・主菜・副菜がそろう食事の頻度に影響していた(GFI=0.999,AGFI=0.997,CFI=1.000,RMSEA=0.000,χ2 値=1.2)。女性は,食生活リテラシー尺度から「食物へのアクセス」と「情報へのアクセス」の認知に有意なパスが認められ,その認知から主食・主菜・副菜がそろう食事の頻度に影響していた(GFI=0.999,AGFI=0.986,CFI=0.998,RMSEA=0.041,χ2 値=2.7)。
【結論】食生活リテラシーは食環境の認知を通じて,主食・主菜・副菜がそろう食事の頻度に影響を及ぼしている可能性が示された。