2021 年 79 巻 3 号 p. 134-141
【目的】食費に対する態度の変容による食生活改善の可能性を探ることを目指し,食費に「お金を掛けることは惜しまない」女子大学生の特徴,主食・主菜・副菜の揃った食事の摂取頻度と食費に対する態度を検討した。
【方法】2018年11月,女子大学生1,388人を対象に,自記式質問紙調査を実施した。調査内容は,属性,食費に対する態度,主食・主菜・副菜の揃った食事の摂取頻度であった。χ2 検定,Kruskal-Wallis検定,Mann-WhitneyのU検定,ロジスティック回帰分析を用いて,食費に対する態度別に属性,主食・主菜・副菜の揃った食事の摂取頻度を検討した。
【結果】541人が回答し(回収率39.0%),対象外であった大学院生や回答不備の者を除き,483人を解析対象とした(解析対象率34.8%)。食費に「お金を掛けることは惜しまない」者は,管理栄養士養成課程の者(p=0.013),暮らし向きにゆとりがある者が多かった(p<0.001)。ロジスティック回帰分析で,これら属性を調整した結果,食費に「お金を掛けることは惜しまない」者より,「お金を掛けたいが,ゆとりがない」者の主食・主菜・副菜の揃った食事の摂取頻度が低かった(オッズ比[95%信頼区間]=0.46[0.24~0.87])。
【結論】食費に「お金を掛けることは惜しまない」女子大学生は,より健康的な食生活を送っていることが示唆された。