栄養学雑誌
Online ISSN : 1883-7921
Print ISSN : 0021-5147
ISSN-L : 0021-5147
原著
高齢の入院患者等の栄養管理に関する看護・介護職員の態度尺度(The Staff Attitudes to Nutritional Nursing Geriatric Care Scale: SANN-G)日本語版の開発
河嵜 唯衣赤松 利恵酒井 雅司藤原 恵子玉浦 有紀
著者情報
キーワード: 看護職員, 栄養管理, 態度, 尺度
ジャーナル フリー

2021 年 79 巻 4 号 p. 175-184

詳細
抄録

【目的】高齢の入院患者等の栄養管理に関する看護・介護職員の態度尺度(The Staff Attitudes to Nutritional Nursing Geriatric Care Scale: SANN-G)の日本語版を作成し,妥当性・信頼性を評価すること。

【方法】日本語に翻訳したSANN-G18項目を用いて,自記式質問紙調査を実施し,都内の病院及び介護老人保健施設に勤務する看護師・看護助手及び介護士計493名が回答した。1か月後,回答者のうち108名を対象に再調査を実施した。構成概念妥当性,基準関連妥当性,内部一貫性及び再現信頼性を検討した。

【結果】490名を解析対象とした(適格率99.4%)。探索的因子分析の結果,2因子10項目が得られ,確証的因子分析の適合度指標も良好な値が得られた。10項目のクロンバックαは0.733であり,初回調査と再調査の合計得点の相関係数は,ρ=0.628(p<0.001)だった。基準関連妥当性の検討では,栄養管理の知識,栄養管理より優先される業務負荷及び入院患者等の栄養管理に関する情報共有との相関係数は,それぞれρ=-0.021(p=0.639),0.158(p<0.001),0.176(p<0.001)だった。

【結論】SANN-G日本語版は,原版の因子構造とは異なっていたものの,妥当性・信頼性が確認された。

著者関連情報
© 2021 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
次の記事
feedback
Top