栄養学雑誌
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中学生における給食喫食前の食事量調節と給食の食べ残しの関連
満崎 雅咲坂本 達昭
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2021 年 79 巻 6 号 p. 373-379

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抄録

【目的】給食喫食前の食事量調節の有無と給食の食べ残しの関連を明らかにすることを目的とした。

【方法】熊本市内の公立中学校(5校)に通う中学2年生673名を対象として,2020年9月に調査を実施した(横断研究)。調査項目は,自己申告による身長と体重,給食の食べ残し,給食喫食前の食事量調節(主食およびおかず),主観的な喫食時間の長さ,体型願望等である。無効回答を除いた559名(男子299名,女子260名)を解析対象とした。給食喫食前の食事量調節と給食の食べ残しとの関連を検討するために,従属変数は給食の食べ残し(いつも全部食べる/残すことがある),独立変数を給食喫食前の食事量調節(ほとんど減らさない/減らすことがある)として,属性,身長別標準体重,主観的な喫食時間の長さ,体型願望等を調整したロジスティック回帰分析を行った。

【結果】給食喫食前に主食の量を減らすことがある者は(調整オッズ比[95%信頼区間]:男子4.64[1.69~12.72],女子4.18[2.09~8.35]),給食を残すことがある者が多かった。同じく,喫食前におかずの量を減らすことがある者は(男子9.06[3.32~24.76],女子4.12[2.13~8.35]),給食を残すことがある者が多かった。

【結論】男女共に喫食前に食事量を減らすことがある者は,給食を残す可能性が高いことが示唆された。

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