栄養学雑誌
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京都市内・山間僻地の学童の栄養実態
松平 敏子
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1969 年 27 巻 3 号 p. 113-120

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抄録

昭和41年7月, 京都市北端2級僻地の1小学校の学童, 男子21名, 女子24名について栄養摂取状況および, 身体状況調査を行ない, 下記の成績を得た。
I, 栄養摂取状況 熱量摂取は男女共, 昭和41年度国民栄養調査京都市内平均の成績に比較すると, 3~27%上回っている。蛋白質摂取量は, 男女共, 低学年で約49g, 高学年で約61gで, 調査値よりも下回っている。脂肪摂取は男子は調査値よりも下回っているが, 女子は上回っている。その他の栄養素摂取は, 調査値より下回っているものが多い。
II, 蛋白質は動物性蛋白質を33~38%摂取しているが, 卵類, 乳類の摂取が少なく, リジン摂取量は2.5~3.59であった。
III, 男子の身長, 体重および胸囲は, 全国平均に比較して, 約10%下回っている。
IV, 血液性状は全血比重の大部分が1.051~1.053, ヘモグロビンは11.0~13.0g/dl, 血清蛋白は6.1~6.8g/dlであった。
V, 以上の成績より, 男子の体位がやや劣っているのは, 栄養摂取, 特に蛋白質の質および量の不足によるものと推察される。

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