1971 年 29 巻 5 号 p. 189-194
生体内の個々の脂肪酸の代謝的運命にビタミンB2 (フラビン酵素) がいかなる影響をおよぼすかを知るために実験を行なった。
動物をB2欠乏にすると, 肝脂肪の蓄積がみられるという多くの報告に反して, 肝脂肪含量に変化を認めなかったが, これは用いた飼料中の脂肪レベルが低かったためであると考えられる。
B2欠乏動物の肝臓においてはパルミチン酸の減少とリノール酸の蓄積がみられ, これらの脂肪酸がB2欠乏によりもっとも影響をうけ易いことを示している。血清脂質においてはパルミチン酸, パルミトオレイン酸, オレイン酸の有意な減少とリノール酸の有意な増加がみられ, B2欠乏により影響をうける脂肪酸は肝臓に比して多かった。