栄養学雑誌
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オアキミ飼料長期投与がラットの栄養状態に及ばす影響
小畠 義樹石黒 紀子平原 文子印南 敏西出 英一
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1980 年 38 巻 6 号 p. 311-319

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抄録

オキアミを10%または20%たん白質レベルで添加した飼料をラットに21週間連続投与し, 対照の10%と20%カゼイン飼料投与ラットと栄養状態を比較した。10%オキアミ飼料投与では対照群との間で, 種々のデータについて差が殆んど見られなかった。しかし20%オキアミ飼料は対照のカゼイン飼料に比べ, 体重増加量, 飼料摂取量, 血清鉄濃度, ヘモグロビン濃度, 赤血球数, 副睾丸周辺脂肪組織重量等の低下または減小が起こり, 逆に総鉄結合能, 腎臓重量等は増加していた。更に飼料中へ無機塩を必要量を越えて添加した場合も血清鉄濃度低下, 赤血球容積の低下が起こっていた。これらの結果から, 20%オキアミ飼料投与により鉄欠乏性貧血の発症の疑いをいだかせた。また体内過酸化脂質や血清コレステロールもオキアミ飼料投与で特に上昇を認めなかった。脂肪組織脂肪酸組成はオキアミ飼料投与によりオキアミ脂質の影響を強く受けていた。

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