栄養学雑誌
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小学生の食生活状態と自覚症状について
白木 まさ子深谷 奈穂美
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1993 年 51 巻 1 号 p. 11-21

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抄録

浜松市内の小学生618人 (4年生204人, 5年生190人, 6年生224人, 性別では男子308人, 女子310人) を対象に, 食品の摂取状況と自覚症状の訴え及び食事の楽しさに関するアンケート調査を実施した。
1) 12食品のうち, 緑黄色野菜, 肉, 豆製品, いもは“よく食べる”者が, また清涼飲料は“ほとんど飲まない”者が5, 6年生より4年生に多かった。淡色野菜は“よく食べる”者が男子より女子に多かったが, 卵, 牛乳, 肉, インスタント食品及び清涼飲料は男子の摂取頻度が高かった。
2) 自覚症状の項目別訴え率は“風邪をひきやすい”が21.4%,“疲れやすい”が64.8%,“虫歯が多い”が12.4%,“お腹をこわしやすい”が21.6%,“熱が出やすい”が7.7%であった。
3) 自覚症状の訴えのない子どもは, 朝食を毎日食べている割合が高く, また野菜・果物の摂取点数及び栄養バランス得点が高かった。
4) 食事の楽しさに関連の大きい要因は, (1) 夕食の共食者, (2) 食事中の会話, (3)食事の手伝いの頻度であった。夕食を家族揃って食べる, 話をしながら食事をする, いつも食事の手伝いをするの各カテゴリーは食事を楽しくするほうへ寄与していた。
5) 大人と一緒に夕食を食べる, 話をしながら食事をする, いつも食事の手伝いをする, 外遊びが好きと答えた子どもは, 栄養バランス得点が有意に高かった。

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